【イベントレポート】多文化共生勉強会(第1回) - 鹿児島市国際交流センター

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【イベントレポート】多文化共生勉強会(第1回)

2025年3月19日

多文化共生について 地域での理解や取り組みを促進することを目的として2週にわたり勉強会を開催しました。

3月2日(日)に開催した第1回目は、佐賀県多文化社会コーディネーターの北御門織絵氏を講師にお招きし、”多文化共生って何?”をテーマに外国人住民の方との共生について “感じていただく・考えていただく” 勉強会になりました。

アイスブレーキングゲームで知らない人と気兼ねなく話すことに少し慣れていただいた後、早速グループワーク開始。「A.職場と地域の関わり」「B.バスの中での無意識の偏見」というふたつのテーマで実際の場面を想定して作成されたシナリオを手に、それぞれ振り分けられた役を演じていただきました。

Aのテーマでは、高齢の男性Tさん宅の工事中、作業をしていたムスリムのAさんが時間になったと敷地の隅でイスラムのお祈りを始めたところからスタート。驚いたTさんは何をしているのかと問いかけたが、かなり強い方言だったため日本語は話せるAさんが方言を理解できず、リフォーム会社に「日本人に代えてほしい」と苦情の電話を入れ…という話。Bのテーマは、バスに乗り座席に座っていた留学生のBさんがバスが混んできたのにも関わらず自分の隣に誰も座ってこないなと気付いたとことからスタートする話です。

それぞれ役を演じた後に、まず役の人として感じたこと・考えたことをグループで共有し、その次に自分自身が感じたこと・考えたことを話し合っていただきました。その上で、それぞれの役の人がこうなれば良いという改善点と、改善されるためには誰がどうすれば・何がどうなればよくなるか…を話し合っていただきました。最後に「今後、自分はこうしていきたい・地域社会はこうなるとよい」と鹿児島が多文化社会になるための今後を話し合い、各グループでまとめたものを発表していただきました。最後15分で外国人受け入れの経緯や国や鹿児島が進めている施策など、多文化共生の現状についての講話で会を終えました。

参加者レポート

受講した感想
ワークショップの形で多文化共生を学ぶのが初めての経験であり、また、自分よりも数十歳も年上の方々と、交流をしたり、意見を交換したりするという機会が普段めったにないため、今回のイベントに参加したことで新鮮な気持ちになりました。グループワークでは、実際に起こり得るケースを想定して、それぞれの役割を演じることで、各々の立場の考えを知り、実際に問題が生じたときのことを具体的に想像することが出来ました。また、問題に対処するための方法としてどのようなものが考えられるかという問いに対して、私は、「地域住民へ周知する」という抽象的な策しか考えられなかったのですが、同じグループ内の年配の方が、社会福祉協議会という組織の名前を出して、とても具体的な解決策を提示されていました。実際に長年にわたって様々な活動をされてきた方々と学生である私の経験の差を感じるとともに、そのような方々はやはり、実際の地域の状況を考慮したうえでの現実的で具体的な意見を出されるため、しっかり傾聴する必要があると改めて感じました。

今日の気づき
配偶者等の在留資格で日本に居住している外国人の方が、離婚する際に、在留資格を失ってしまうといった不利益を被るために、簡単には離婚することが出来ないという事例を初めて知りました。在留資格に関する問題について、その存在は把握していましたが、具体的にどのような問題が生じているのかということは知らなかったため、今回のイベントでの大きな学びとなりました。また、先に日本に居住している夫などと暮らすために、後から日本にやってきた配偶者の方などが、日本の社会に居場所を作れず、孤立してしまったために、コミュニティのある所に引っ越してしまうということがあることを知り、外国人と日本人とが上手く共生できるような取り組みだけでなく、外国の方が、日本の社会で孤立しないような地域での取り組みが必要であると思いました。人手不足の会社で、外国人の人材を数年かけて育て上げても、上記のような理由で、外国人の従業員が会社を辞めてしまうと、大きな損失となってしまうため、外国人コミュニティが発達していない地方などでは特に、外国人が孤立しないような支援の必要性があると感じました。

多文化共生について
今まで、学校の授業などで多文化共生について学んだ経験はありますが、主体的にイベントに参加して学ぶのは初めてでした。
特に多文化共生の専門家の方のお話を聞くのも初めてであり、多文化共生に向けた様々な取り組みが行われていることが分かりました。
多文化共生のためには、在留資格の問題や、地域生活での問題など様々な課題が存在していて、その解決のために、専門家の方々が今回のようなイベントを含め、さまざまな活動をされているのだということが分かりました。このような状況を踏まえたうえで、鹿児島は多文化社会になれるのかという問いに対しては、私はなれると考えます。
理由としては、私が勤めていたアルバイト先にも多くのネパール人が働いていて、彼らと私たち日本人が国籍の垣根を越えて交流できていたという私自身の経験があるからです。
また、鹿児島の主要な産業である農業では外国人が多く従事していて、彼らの存在なしでは今後鹿児島の経済の根幹が成り立たなくなると予想されるため、県民の多くが多文化共生の必要性を強く感じるようになると思います。そして、鹿児島が多文化社会になるためには、外国人人材の必要性を強く訴えるとともに、地域社会という狭い枠内で、外国人と交流し、相互理解を深めていく必要があると考えます。そして、そのような活動に参加するということが、私に出来る取り組みの第一歩であると考えます。